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汚染された世界の都市

すたれた観覧車

土壌汚染は日本だけではない

日本では各地で土壌汚染が起こっています。
最も記憶に新しいのは、2011年に起きた福島原発事故による放射能汚染ではないでしょうか。
地震によって崩れた原子力発電所から放射能が漏れ出し、周辺の土壌が汚染されてしまったのです。
汚染された区域は立ち入りも規制され、農作物も放射能が含まれていないか、厳重にチェックされたものです。

このような放射能による土壌汚染は稀ですが、これまで化学物質などの知識が低かったために、鉱山発掘地をはじめ、化学工場や農薬を使用した田畑などで、有害物質と知らずに土壌を汚染してしまったというケースが多く、周辺の住民に健康被害が起こってから発覚するものも少なくありません。

しかし、決して日本だけで起こっているのではなく、世界中で起こっていることです。
世界各国でも国の発展のために大きな工場が幾つも建てられ、有害物質が適切な処理を行われずに廃棄された結果、取り返しがつかないほどの酷い土壌汚染を引き起こしている所もあります。
どんな国で、どんな土壌汚染が起こっているのか、幾つかご紹介することにしましょう。

世界で起こっている深刻な土壌汚染


土壌汚染と聞くと、誰もが思い浮かべるのが、ウクライナのチェルノブイリの放射能汚染でしょう。
1986年に起こった爆発事故により、大量の放射能が漏れ出したのです。
その放出量は、広島に落とされた原子爆弾の400倍とも言われています。
約30年経った今でも半径30㎞以内の地域には居住することができません。
そのため、健康被害を受ける人も多く、甲状腺ガンになってしまう人は4000人以上に上っています。

あと、ロシアのゼルジンスクでも深刻な土壌汚染が起こっています。
1930年から1998年まで使われていた、旧ソ連軍の化学兵器工場から、ヒ素や水銀などの有害物質が大量に放出され、周辺の土壌や地下水を汚染しました。
地下水は飲料水として使用されていたため、酷い健康被害が起こりました。

また、これもロシアですが、シベリアにあるノリリスクでは、大きなニッケル鉱山があり、その発掘のため、半径60㎞周辺の土壌が銅とニッケルによって汚染されています。
そのため多くの健康被害が起きていて、特に子供がその被害にあっているようです。

現在、最も深刻な土壌汚染に脅かされているのは中国です。
途上発展にある中国では様々な工場が幾つも建てられ、有害物質が適切に処理されていません。
また、大量の農作物を育てるために強力な農薬が使われるなどして、各地で土壌汚染が進んでいます。

特に山西省にある臨汾では、石炭を発掘するために有害物質が使われ、酷い大気汚染を引き起こすとともに、土壌汚染が起こり、地下水も汚染され、多くの健康被害が起こっています。
中国では、このように健康被害を受ける国民が急増したため、2015年1月に環境保護法が改正され、汚染の改善が進めらています。