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温度差熱利用とは?

バイクを走らせるライダー

温度差熱利用による発電のメカニズム

温度差熱利用エネルギーとは、大気中の気温の差を再利用するエネルギーです。
例えば、気温が高い夏でも河川や地下水、海水などはそれほど熱くなるわけではありません。
これらの温度差を利用し、ヒートポンプの熱源として利用したり給湯や冷暖房に使おうというのが温度差熱利用エネルギーです。

発電のメカニズムですが、ゼーペック効果を利用して発電を行うのがこの温度差熱利用エネルギーの特徴です。
ゼーペックというのは、半導体素子の熱電子祖を利用してエネルギーを電気に変換するという発電方法で、捨てられている熱を利用できるという点が魅力です。

分かりやすく簡単に説明すると、温度が高い熱源を温度が低い冷媒と組み合わせると、空気が冷やされる際には気化熱が発生します。
この熱をエネルギーに変えるのが、温度差熱利用エネルギーです。

温度差熱利用のメリット・デメリット

温度差熱利用エネルギーのメリットは、私達の日常生活の中において熱源と冷媒を見つけやすいという点です。
熱源なら、夏の暑い大気だけでなく、工場や自動車・バイクからの排熱、パソコンやサーバーから排出される廃熱、発電所や地中熱、マグマ熱など、至る所にあります。

冷媒に関しても、地下水や河川水、海水などの自然界に存在している水に加え、冬の降雪による雪もまた冷媒として利用することが可能です。
また、日本は海に囲まれていて、全国各地に河川が多く水が豊かな国です。
そうした地理的な条件も、温度差熱利用エネルギーという点においては大きなメリットとなります。

このように、エネルギーを創り出す2つの原料が手に入りやすいという点は温度差熱利用のメリットです。
たくさんのエネルギーが必要な都市部においても導入しやすいという点で、近年では注目されています。

温度差熱利用のデメリットは、複数あります。
例えば河川水や地下水を発電に利用する際には、水が誰に属しているのかという利権を考慮しなければいけませんし、過度の採水による地盤沈下なども考えなければいけません。
また、熱源が発電施設のすぐそばにない場合には、熱供給を行う配管を整備するなど準備に費用と時間がかかる可能性があります。

今後の課題

温度差熱利用エネルギーの導入に関しては、どの熱源とどの冷媒を利用するのかという点を慎重に選択することが課題となるでしょう。
地盤沈下や水の利権の問題がある他、熱源と冷媒の選び方によって、どのぐらいのエネルギーを供給できるのかという点が大きく変わります。
恒久的に収集可能なエネルギー減量なら、都市開発として熱供給管の整備を行うという方法もまた長期的には賢いエネルギー利用方法なのかもしれません。