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土壌汚染の特徴歴史

穴が開いたタイヤ

土壌汚染の歴史

土壌汚染は見た目では分かり難いために、なかなか深刻化されませんでしたが、明治時代には足尾鉱山鉱毒事件が起き、周辺の土壌や川を汚染したのをはじめ、1950~1960年代には、水俣病やイタイタイ病などの大きな公害も起きるなど、有害物質による汚染が深刻化してきたため、1958年には工場排水を規制する法律が施行され、1970年に農地用の土壌汚染の防止等に関する法律、公害防止企業者負担法などが制定されるなど、土壌汚染に対する整備が進められてきました。

しかし、有害物質に関する知識が乏しかったこともあり、有害物質とは知らずに使用し、簡単な処理だけ行い、土壌汚染を引き起こしてしまったケースが多数見つかっています。
1970年以降でも、東京都江東区、江戸川区では六価クロムによる土壌汚染が見つかったのをはじめ、広島県の化学薬品工場跡地から水銀やPCBなどによる土壌汚染や、足立区の化学工場跡地から大量のフッ素が検出されるなど、都市部での土壌汚染が多く判明しました。

そこで、1986年に市街地土壌汚染に係る暫定対策指針や、土壌汚染に係る環境基準が定めらましたが、そこまで厳しく規制するものではありませんでした。
土壌汚染は問題視されながらも、なかなか改善されてこなかったのです。
2003年になってようやく土壌汚染対策法が制定され、土壌汚染の対策が本格的に始まりました。

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土壌汚染の近況

日本では、世界第二次大戦後に迎えた高度経済成長期に、多くの有害物質を不適切に処理をしていたので、都市部においてはまだまだ多くの土壌が汚染されたままになっています。
そのため、近年になって判明した土壌汚染がたくさんあります。

例えば、東京都江東区豊洲のガス工場跡地では、ベンゼンやシアン、鉛、ヒ素などの有害物質が、土壌に大量に含まれていることが判明しましたし、東京都北区の化学工場跡地では、土壌がダイオキシンで汚染されていることが判明しました。

東京都以外でも、大阪市では土壌汚染から地下水が汚染され、基準値を超えるセレンやヒ素が検出されたり、愛知県小牧市で産業廃棄物が投棄されていた土地が汚染され、周囲の住民に健康被害を与えたり、岡山市の郊外にある住宅地でベンゼンやトリクロロエチレンなどの有害物質が土壌に含まれていて、さらに地下水も汚染され油臭がするなど、土壌汚染は日本各地で次々に見つかっています。

土壌は、一度汚染されると、浄化されることなく、ずっと汚染されたままです。
そのため、20年経っても30年経っても、有害物質は無くならず、残存しています。
土壌汚染は見た目では有害物質も確認できないため、周囲の人も認識し難いですが、既に健康被害を受けている人もいるかもしれません。

土壌汚染対策法が施行された後に造成された土地においては、土壌検査を受けることが義務付けられていますが、それ以前に造成された土地は土壌検査を受けていない場合が多いので、何らかに汚染されている可能性があります。
土地の所有者は自主的に土壌検査を受けることをおすすめします。