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ヨーロッパを襲う猛暑

猛暑の原因

「地球温暖化」世界的な問題としてクローズアップされてから何年も経ちました。
1970年代には地球寒冷化の可能性が問われていましたが、1988年になってジェームズ・ハンセンが「最近の異常気象は地球温暖化と関係している」と発言し、地球温暖化説が一躍マスコミでも取り上げられるようになりました。
ジェームズ・ハンセンは米航空宇宙局ゴダード宇宙研究所の博士で、化石燃料消費を減らして水素エネルギーを利用したり、燃料電池に切り替えるようにすれば温暖化の原因を取り除けると言っています。

地球温暖化は確実に進んでおり、夏の気温は年々増加し、猛暑日も増えています。
猛暑日というのは最高気温が35°を超えた日のことで、ヒトはもとより、多くの生命を脅かしています。
1994年以降、猛暑日は増加傾向にあり、日本でも2018年7月に最高気温が41.1℃を記録するに至っています。
猛暑は日本だけの現象ではなく、ロサンゼルス近郊で48.9℃、極寒の地シベリアでも日中の最高気温が29℃にまで上がりました。

ヨーロッパでも熱波による猛暑で死者まで出るなど、地球温暖化の弊害が出ています。
特に2003年にヨーロッパを襲った熱波では、主要都市の夏場の平均気温が平年よりも10℃も高く、パリでも40℃を超える日が何日かありました。
世界保健機関が発表したデータによると、2004年には最も影響のあったフランスで14,802人の死者が出たと言われています。
フランス以外にもイタリアで3,134人、ポルトガルでも2,106人など、暑さによる多くの死者が出ています。

冷房が普及していないヨーロッパ

ヨーロッパでこれほど死者が出たのは、冷房が普及していないことも一因になっています。
ヨーロッパの夏は日本と比較すると湿度が低く、同じ温度でも比較的過ごしやすいため、冷房を設置している家庭がまだまだ少ないというのが現状です。

2003年にヨーロッパを襲った熱波は、農作物にも多大な影響を及ぼし、農業に深刻なダメージを与えました。
森林火災も数多く発生し、自然界も大きな被害を被りました。

近年のヨーロッパの猛暑事情

2003年の後、2010年にも平均気温が例年よりも高い夏が訪れ、ヨーロッパだけではなくてロシアやアメリカ東部、日本などでも異常高温が観測されました。
日本では2009年には真夏日と猛暑日が狙って頭おかし、熱中症による死者も1,731人と過去最高を記録しました。

2019年6月には、パリで最高気温が46℃まで上がり、北極圏でも大きな規模で氷が融解し、森林火災も発生しました。
ヨーロッパの猛暑の原因はエルニーニョ現象だとも言われていますが、人為起源によって引き起こされた気候変動が最大の原因であることは間違いありません。