火力が8割を占める現状
太陽光や風力など、天然資源によって電力を生産する再生可能エネルギーが注目を浴びています。
再生可能エネルギー(英語でRenewable Energy)というのは、石油や天然ガスなどといった限りのある資源とは違い、自然界に存在する枯渇しないエネルギーのことを言います。
地球上のどこにでも存在していて、CO2を排出しないのが再生可能エネルギーの大きなメリットです。
さらに、原子力発電のような事故の心配もありません。
これほどのメリットがあるわけですから、現在行われている発電をすべて再生エネルギーに切り替えればいいようなものですが、実際には物事はそれほど単純ではありません。
現在の日本の発電状況を見てみると、天然ガス・石炭・石油その他による火力発電が83.8%を占めており、原子力による発電は1.7%、再生可能エネルギーによる発電は14.5%にとどまっています。
再生エネルギーのデメリットが大きい
再生エネルギーが主流とならず、相変わらず従来の火力発電に頼っている理由は、天候に非常に左右されるため、発電量が不安定だというデメリットがあるからです。
太陽光による発電では、夜は電気が生産されませんし、風力発電にしても風がない日には電気を得ることができません。
発電コストが高価なのも再生エネルギー発電のデメリットの一つです。
また、景観にダメージを与えるケースもあり、火力発電を減らして再生可能エネルギー発電を大幅に増やすのはなかなか難しいと言えるでしょう。
電気というのは貯められないという特徴がありますので、太陽光をエネルギーだけに頼って発電していると、夜は電気が不足してしまうことになります。
電気というのは、基本的に使う量と消費する量が常に同じになるように発電量が設定されています。
つまり、太陽光発電の割合が多い地域でも、曇りの日には火力発電が晴れの日よりも稼働することになります。
電力会社では、電気の使用量と発電量を365日24時間予想しながら、供給量と需要量のバランスをとっています。
家庭に設置するソーラーパネルなど、蓄電池に電力を貯めておくことが可能なケースと異なり、地域全体を賄うような電力会社が生産している電気の量は膨大なため、地域の住民のユーズに耐えられる蓄電池を設置しようとすると、莫大な費用がかかります。
再生エネルギーを活用するには火力発電が必要
以上で見てきたように、メリットの多い再生エネルギー発電は、火力発電によってサポートしてあげる必要があります。
火力発電では、燃料の投入量を調節することによって出力を自由にコントロールできるため、再生エネルギーと合わせて使えば、無駄なく電気を地域の家庭に供給することができます。
将来的には、コストのかさまない蓄電池の開発などが必要になるでしょう。