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  2. 土壌汚染の特徴

土壌汚染の特徴

さびれた缶

元に戻らない

土壌汚染の特徴は、一度汚染されてしまった土壌は、決して元に戻らないということです。
空気や水のように流れがあるわけではないので、きれいな土地に自然に入れ替わるわけではありません。
何年経っても汚染されたままです。
ですから、土壌汚染が発覚した場合は、その有害物質が他に漏れ出さないように隔離するか、もしくは他の土に入れ替える方法が取られます。

しかし、土壌汚染は土壌だけではなく、地下水を汚染したり、有害物質が揮発性の場合は、ガスが発生して大気をも汚染することがあります。
土壌汚染だけの場合は、農作物に有害物質が含まれてしまったり、そこに生えている草を家畜が食用にすることで、家畜の肉に有害物質が含まれるなどの危険性が高まりますが、土壌汚染により大気が汚染されると、それだけではなく、呼吸をするだけで体内に有害物質が入り込む可能性があります。

また、地下水まで汚染していると、その水は川や海に流れていくので、川や海も汚染されることになります。
そして、川や海に生きている魚や貝などに有害物質が入り込み、それを食べる人間の体にも有害物質が蓄積されるという健康被害の拡大が起こる可能性があるというのも土壌汚染の大きな特徴です。
ですから、土壌汚染が発覚したら、なるべく早い対策が望まれるのです。

汚染されているかどうかが分かり難い

土壌汚染は、見た目では汚染されているかどうかが分かり難いという特徴があります。
有害物質が土に吸収されてしまうため、土壌の外見には何も変化が起こっていないことが多く、匂いすらしないので、公害という意識が持たれ難く、行政による対策も遅れがちになってしまうことが多くなっています。

また、土壌汚染は、有害物質が長年にわたり、ゆっくりと土壌に染み込むので、大気汚染のように周囲に拡散することがあまりなく、汚染されている場所が限定されることがほとんどという特徴もあります。
それもあって、土壌汚染はなかなか発見されません。
土壌汚染によって地下水が汚染されている場合も、地下水はそれほど流れが速くないので、有害物質はその土壌に蓄積されることがほとんどです。

それと、土地には必ず所有者がいて、使用する人が限定されますので、汚染されていることに気づかないというケースも多いです。
土壌汚染は、拡散しにくい汚染だと言われていますが、有害物質によっては大気をも汚染するので、放っておくと周囲の住民に健康被害を与えかねません。

そのため、過去に工場などが建っていた土地などは、自主的に土壌検査を行うことが奨励されています。
以前は良しとされていた化学物質も現在では有害物質に指定されているものは幾つかあります。
そのために、以前は平気で垂れ流しにしていた工場も多いです。
自分の土地は大丈夫だと思わずに、念のため土壌検査を受けることをおすすめします。