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生態系を破壊するマイクロプラスチックについて

ゴミ箱

分解されるのが難しいマイクロプラスチック

現代社会の生活において、欠かせないものとなっているのがプラスチック製品です。
住宅やオフィスなどで使われているケースや、食品の包装、使い捨て容器、ストロー、電化製品のパーツなどありとあらゆるものにプラスチックの存在があります。
とても有用なものなのですが、使い終わった後の行き先についてはあまり考えることがないかもしれません。

プラスチック自体は熱や紫外線などによって細かく破断される傾向がありますが、実は細かい状態になると、そのままの形で分解されずにずっと残ってしまうのです。
形が小さくなり目に見えるか見えないくらいのサイズになるだけで、プラスチック自体が分解されることはほとんどなく、そのまま存在され続けることになります。

海洋汚染の深刻な原因となっている

目に見える大きなプラスチックゴミが海に漂っているのは、とても目につき海洋汚染が生じていることが分かりますが、実はプラスチックの脅威は目にほとんど見えないプラスチックが占めているのです。
それが、マイクロプラスチックで、マイクロプラスチックは特に外洋に行きやすく広範囲にわたって汚染が広がっていくという特徴を持っています。
それだけ、マイクロプラスチックによる汚染は多くの生物にダメージを与えるものとなります。

というのも、マイクロプラスチックは陸地に押し寄せる波の力を受けやすい海の表面ではなく、沈んで海の下の方に入り込みやすいという特徴があるからです。
その分、岸から外洋に向かっていく力の影響を受けやすく、簡単に広がっていってしまうのです。

また、大きくて回収のしやすい大きいサイズのプラスチックゴミと違って、マイクロプラスチックは海にある状態では視認するのが難しいですし、すくうのも大変です。
海に流れてしまったマイクロプラスチックを回収するというのが、海洋汚染を防ぐうえでの大きな課題となっているのです。

生物に与える影響は計り知れないものがある

プラスチック袋などを魚が飲み込んで死んでしまうというのは、世界中のニュースでも取り上げられています。
しかし、こうした見えやすい被害とは異なり、マイクロプラスチックの及ぼす影響というのは見づらく、かえって恐ろしいものがあります。
魚などの体内に取り込まれてしまい、免疫や神経にダメージを与えたり、食物連鎖の中で大型動物においてさらに被害が濃縮されてしまうこともあります。

世界各国でプラスチック袋やストローの使用を禁止するという取り組みがなされていますが、これからさらにその動きが広まっていくことが期待されています。
マイクロプラスチックの問題は、地球環境を守るためにも、しいては人間の健康を守るためにも避けては通れない問題なのです。