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地中熱利用とは?

落ち葉

地中熱利用発電のメカニズム

地中熱利用エネルギーとは、地表から地下200mまでの比較的浅い部分の地中に蓄えられている熱を利用して作り出すエネルギーです。
地表の土壌でも深さ10m以上の部分に関しては、気温に関係なく地中温度はほぼ一定と言われています。
この安定した温度が持つ熱エネルギーを使い、夏には放熱、冬には採熱という方法で、冷暖房や給湯、そして融雪などに活用しようというのが地中熱利用エネルギー発電です。

地中熱利用の仕組みですが、地表から深さ10m以上の部分に地中熱交換器を埋め込みます。
熱が地表と建物とを行き来できるような配管を設置することにより、夏は廃熱や排熱を地中に放熱することができます。
その際の熱を電気に変えることで、再び建物に電気という形でエネルギーを還元できます。
冬は逆に、安定した地中温度が持つ熱を採取することで熱を電気に変え、地中熱ヒートポンプタンクに蓄えるというメカニズムとなります。

地中熱利用のメリットとデメリット

地中熱利用では、夏でも冬でも同じ温度の室内空間を作り出す際に必要となる電力が少なくて済むというメリットがあります。
夏には、外気よりも温度が低い地中から空気を取り込んで冷やせばよいため、冷房にかかる電力を低く抑えられます。
冬には、冷たい外気よりも温かい地中から空気を取り込んで温めるので、電力を多く使わなくても快適な温度まで煖房できます。

地中熱利用はまた、ヒートアイランド現象の抑制にもつながります。
また、冷暖房などの排熱を屋外へ排出せず再び再利用を行うため、空気の浄化にもつながります。
長期的にみると、ヒートアイランドなどの問題の解決にも貢献しますし、空気の浄化、二酸化炭素の排出削減にもつながります。

地中熱利用のデメリットは、導入に際しては地中熱交換装置やヒートポンプタンクなどの設備を設置しなければいけないという点です。
その際には、まとまった初期費用がかかってしまいます。

また、発電所でまとめて発電をして各家庭や施設に供給するというタイプの設備ではなく、各住宅や施設ごとに地中熱利用設備を設置しなければいけません。
そのため、一般家庭にとっては費用の面でハードルが高く、導入しにくいというデメリットも考えられます。

地中熱利用の今後の課題

地中熱利用は、設備を導入すれば環境にも優しく、効率的にエネルギーを再利用することが可能です。
しかし、初期費用にまとまった費用がかかるため、このコストをいかにして低下するかが今後の課題となるでしょう。

また、設備を地中に設置する際には地中10m以上の深さまで掘削しなければいけません。
場所によってはこの深さの掘削が不可能なケースもありますし、掘削にもコストがかかります。
この点もまた、今後の課題と言えます。