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海流のエネルギーとは?

波

海流のエネルギーによる発電のメカニズム

水の力を使った発電方法の一つである海流発電とは、海流のエネルギーを利用して羽根や水車を回し、それを電気エネルギーに変えるという発電方法です。
世界では既に実用化に向けた実験が行われており、海洋大国である日本においても新しい再利用可能なエネルギー源として実用化に向けた試みが検討されています。

海流発電では、寒流や暖流などの海流が必要です。
日本近海においては、南方から流れてくる黒潮がよく知られています。
黒潮は世界2大海流の一つでもあり、流れは他の海流と比べても強く、毎秒2メートルにもなります。
この海の流れを利用した海流発電が実用化されれば、黒潮を使うことによって安定したエネルギー供給が実現します。

海流発電では、海中に海流発電機という機器を設置します。
そして、海流が発電機を通過することによって電気を発電するというのが、海流発電のメカニズムです。
海中に設置する発電機にはいろいろな形があり、羽根や水車の形をしたものもあれば、海流の流れによって振動を起こしそれが発電につながるタイプもあります。

海流のエネルギー発電のメリットとデメリット

海流発電のメリットは、たくさんあります。
1つ目は、環境にとてもやさしく、発電の際に二酸化炭素を排出しないという点です。
長期的には、このようなエコな発電方法が取捨選択されていくと予想されています。

2つ目は、天候に左右されずに安定した発電量を確保できるという点です。
風力発電や太陽光発電などは、天候によって発電量が大きく変わります。

しかし海流発電の場合には、天候に関係なく海流は流れていますし、発電機は海中に設置されるため天候の影響を受けません。
船との衝突を避けるため、設置される深さは水深10m以上の深い場所となります。
そのため、台風などの影響もほとんど受けることがありません。

海流発電には、デメリットもあります。
1つ目のデメリットは、初期費用がかかるという点です。
海中深くに発電機を設置するだけではなく、海流の動きに合わせて調整できるようなシステムも必要です。
こうしたシステム開発には膨大なコストがかかりますし、海中への発電機設置においてもまとまった費用がかかることになります。

2つ目のデメリットは、地理的な条件が制限されているという点です。
海流発電では海があれば良いというわけではなく、流れの強い黒潮のような海流がなければ実用性がありません。
そのため、世界の中でもこの発電方法が有効活用できる地域や国は、限られてしまいます。

海流のエネルギーの今後の課題

海流発電は、実用化に向けた研究や開発がすすめられていますが、現在はまだ実用化できる段階までは来ていません。
現在環境庁が業者とチームを組んで開発がすすめられており、早期の実用化が期待されています。