再エネ海域利用法とは?
再エネ海域利用法とは、2018年12月に公布された新法で、再利用可能な海洋エネルギー事業における枠組みやルールを見直したものです。
この再エネ海域利用法によると、政府は協議会というものを設置し、洋上風力エネルギー発電事業の実地に際しては利害関係のある複数の事業者と話し合いを行いながら進めることになります。
また、この協議会で意見交換をした後には、政府が促進区域を指定します。
関係する省庁や都道府県知事、そして協議会と話し合いながら促進区域を指定するわけですが、最終的な決定権は政府にあり事業者は公募による選定となります。
公募した事業者に対して、長期的・効率的・安定的な観点から政府が審査を行います。
そして、最終的に事業の施工に最適な発電事業者を選ぶことができます。
選定されると、最大で30年間の占用許可を受けることができるため、事業所にとっては大きなメリットが期待できます。
また政府から選ばれたということで、資金調達の面で大きなメリットにもなりそうです。
しかし公募で選ばれなかった事業者は、実質的に洋上の風力発電事業などを行えなくなってしまいます。
そのため事業者は、入札形式の公募で何とかして選ばれるために、あらゆる方向から取り組まなければいけません。
ちなみに、実際に入札がスタートするのは2021年以降とみられています。
2030年までに5区域を促進区域に制定
再エネ海域利用法による取り組みは、既に始まっています。
政府の中では既に洋上風力発電ワーキンググループが促進区域の選定を始めていて、先行事業や港湾基地についての議論が行われています。
こうした議論の結果、2030年までに5つ程度の促進区域が制定されることになりました。
具体的にどのエリアかという点までは絞り込まれていませんが、今後、先行事業の開発を行える立地条件の区域を選んでいくことになるでしょう。
選考条件には、エリアの規模だけではなく、他にもいろいろな要素があります。
例えば海洋生物の生態系、地質や風況などの要素も選定プロセスでは大きな判断材料となります。
促進区域が決定したら、設備の施工を行うための港湾環境も整備しなければいけません。
洋上風力発電設備にはタワーやブレードなどたくさんの機材が必要で、保管場所は港湾となります。
搬出入はもちろん、枠組みなどの作業ができるスペースを確保できるかどうかといった点も検討しながらニーズに合わせて環境整備を進めることになります。
再エネ海域利用法のポテンシャル
陸地よりも強い風が吹く洋上では、風力発電は高いポテンシャルを持っています。
海外ではすでに海洋風力発電設備は広く普及していて、日本ではまだ6基のみなのに対し欧州では既に3500基が設置されています。
日本でも今後はより多くの発電設備を稼働するべく、取り組みがすすめられていくと考えられています。