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雪氷熱エネルギーとは?

雪と落ち葉

雪氷熱エネルギーの発電のメカニズム

雪氷熱エネルギーとは、冬の間に積もる雪や氷をアイスシェルターや雪室などに保管し、その冷気を冷房として利用する再生可能エネルギーです。
原料となる雪は自然に降雪したものを使いますし、氷も気温の自然な低下によって作られるものを利用します。
そのため、雪氷熱エネルギーは積雪が多い寒冷地という地域的な制限があるエネルギーと言えます。

こうした地域では、人間の活動エリアを確保する目的で、道路や施設の駐車場、空港などに対して定期的に除雪や排雪を行います。
通常なら、除雪や排雪をして取り除かれた雪は道路わきなどに放置されて自然な融解を待つことになります。
しかし雪氷熱エネルギーを利用する際には、排除した雪を特定の施設に集めることでエネルギーとしての再利用が可能となります。

発電のメカニズムは、温度管理がされているアイスシェルターや雪室などに雪を貯め、必要な時に冷気を冷水循環器および全空気方式などの方法で取り出します。
冷水循環器なら、取り出した冷水を熱交換機で循環させて使用し、全空気方式なら冷却した空気を冷房室に送り、温めた空気を使うことで発電を行います。

メリットとデメリット

雪氷熱エネルギーのメリットは、積雪が多い地域ではエネルギー再利用の有無に関係なく発生する膨大な除雪や排雪の費用、そして融雪費用を、雪氷熱エネルギーとして利用できるというメリットがあります。
特に雪氷熱エネルギーでは十分な水分が利用できるため、食物の冷蔵にとても適しています。

一方デメリットは、冬の積雪を有効活用できる夏まで溶けないように保存するための施設が必要という点です。
施設の建設や維持には費用がかかるため、雪氷熱エネルギーを利用する際にはかかる費用と節約できるエネルギーを計算した上で懸命に判断することが必要です。
また雪氷熱エネルギーは、現在ではまだ冷気としてしか使えないというデメリットがあります。
しかしこの点は、今後の技術開発によって変化する可能性が期待されます。

今後の課題

雪氷熱エネルギーは、積雪が多い地域では既に活用されています。
豪雪地帯におけるシンボルとして活用されることが期待されるほか、自然の雪を観光資源とするための方法なども模索されています。
雪氷熱エネルギーのデメリットである貯蔵施設の建設費や維持費に関しては、近年では雪氷熱エネルギーが注目されていることも手伝い、技術開発が急ピッチで進められています。

今後、より適切な条件で雪や氷を貯蔵できるシステム開発が進めば建設や維持にかかるコストも減少することが期待されています。
広く普及することで多くの施設が利用できるようになり、雪氷熱エネルギーをさらに利用しやすくなるでしょう。