ソーラーシェアリングのメカニズム
ソーラーシェアリングとは、田んぼや畑などの農地を活用した太陽光発電のことで、農業と太陽光発電事業を両立させるという点が大きな特徴です。
太陽光発電設備を農地に野立てで設置するのではなく、農地部分は農業用に使い、支柱を使って高い位置に太陽光発電設備を設置することにより両立が可能となります。
もしも農地に野立てで太陽光発電設備を設置した場合、その土地は農地という扱いではなく、地目が変更されて宅地や駐車場と同じような扱いとなります。
税金面での扱い方も、地目が変更されると変わってしまいます。
しかしソーラーシェアリングなら、農地の一時転用という特別待遇が適用されるため、土地の地目を変えることなく農業も太陽光発電事業も並行して行うことができます。
一時転用の期間は3年間と制限はついているものの、短期間だけでも特別待遇を受けられるため、土地を有効活用したい農家にとってはソーラーシェアリングは大きな魅力です。
ソーラーシェアリングのメリットとデメリット
ソーラーシェアリングには、たくさんのメリットがあります。
1つ目は、農家の収入を大幅にアップできる可能性があるという点です。
太陽光発電設備は、メンテナンスはほとんど必要ありません。
太陽の光さえあれば発電設備が自動的に発電し、電力会社への売電によって収入を得ることができます。
2つ目のメリットは、地面よりも高い位置に設置するため、設置場所に関する制約がないという点が挙げられます。
広々とした農地に設置するので、方角や施工方法などはフレキシブルに調整できますし、その土地で最も大きな発電量が期待できる方角や方法で設置できます。
ソーラーシェアリングを設置する際には、デメリットも理解しておかなければいけません。
1つ目は、農作物の種類によっては、太陽光発電設備の設置によって太陽光が遮られ収穫に影響が出る可能性があるという点です。
2つ目のデメリットは、長期稼働の実績がないため長期的に安定した稼働できるかどうかという点においての研究が不足しているという点です。
パワーコンディショナーや架台に関する技術開発は進められていますが、どのような架台をどんな風に組むのがソーラーシェアリングに適しているのかという点は、今後の課題と言えます。
また太陽光発電機の設置や運用に伴って、どんなシステムを運用するのが最適なのかといった点も今後の課題です。
3つ目のデメリットは、農地の一時転用には3年間という期限がついているという点です。
3年後には、再び農地一時転用の許可を受けなければいけません。
その際には、継続審査があり、条件次第では許可が下りない可能性もあります。
ソーラーシェアリング事業を行う際には、メリットとデメリットを良く考えた上で慎重に決断することをおすすめします。