気候モデルとは?
気候モデルとは、2021年にノーベル物理学賞に選ばれた真鍋博士が開発したもので、地球の気候変動を物理の法則に基づいてシミュレーションすることによって二酸化炭素がどのように増え、具体的にどのように機構へ影響を与えるかというものを視覚化したモデルとして知られています。
これまで気候変動や地球温暖化に関して漠然としたイメージしか持っていなかった人でも、真鍋博士の気候モデルによってより理解しやすくなったと同時に、こうした環境問題に対して危機感を高めたのではないでしょうか。
真鍋博士の気候モデルでは、まず最初に1964年時点の大気の高さや温度の分布に関する開発モデルが作られました。
大気の高さが示す方向と温度との関係を物理的に証明することで、赤外線の熱放射や冷気や暖気の流れなどを把握したのです。
例えば赤外線の熱放射については、地球上の表面から放出される赤外線の熱が地球上の空気や地表を温めるわけですが、一部は大気に吸収されながら地球の外へと放出されることが分かっています。
また温められた空気は冷たい空気よりも軽いために上昇し、その際には水蒸気も運んでいきます。
水蒸気には温室効果が高く、高い水蒸気濃度で大気圏に水の膜を作ります。
こうしたメカニズムを踏まえたうえで、地球上における二酸化炭素の濃度が高くなると気温はどのように変わるのかという実験と計算を行ったものが、真鍋博士の気候モデルです。
このモデルによって、地球上の二酸化炭素濃度が2倍になると地球の気温は約2度上がるという計算が証明されました。
地球温暖化対策へどのように活用できるのか?
真鍋博士が開発した気候モデルは、今後の地球温暖化対策へ幅広く活用できると期待されています。
例えば気候変動に関して政府間が行うIPCCと呼ばれるパネルレポートでは、将来の気候を予測するだけでなく、過去の気候を再現するために必要な気候モデルなども計算によって導きだすことができます。
地球温暖化対策というと、私達はエアコンの使用を控えたり、車に乗るのをやめなければいけないと考える傾向にあります。
しかしそうした部分を控えても、大きな地球温暖化に対する影響はごくわずかです。
それよりも、断熱性の高い住宅を建設したり断熱リフォームすることによって、長期的には二酸化炭素の発生を抑えることが可能になります。
また人間の生活に必要なエネルギーの供給源も、再生利用可能なエネルギーを選択することによって分散型電源の企業が増え、地域に雇用が生まれるといった相乗効果も期待できます。
さらには海外からのエネルギーの輸入量も低下することができ、空気の清浄化という点でも大きなメリットが期待できます。