ASC/MSC認証は「海の環境保護」のマーク
ASC/MSC認証とは、魚介類などにつけられるマークで、スーパーで販売されている魚介類商品に対して認証されるラベルです。
この認証は、持続可能な漁業によって適切に水揚げされた水産物であることを示しています。
ASC/MSC認証は一般社団法人のMSCジャパンが管理運営を行っており、一元認証を行っています。
ASC/MSC認証には、2種類あります。
1つ目はMSC漁業認証で、これは環境や水産資源に配慮した漁業を行ったことに与えられる認証です。
2つ目はMSC CoC認証というもので、これはMSC認証を受けた水産物を使ってサービスの提供をしている業者や店舗へ与えられます。
MSC CoC認証では、水揚げされてから消費者へ届けられるまでのすべての過程、つまり流通や加工、卸業者、そして小売業やレストランなどがすべて含まれます。
ASC/MSC認証は、ASC認証とMSC認証と異なる2つの認証に区別できます。
まず、漁業によって受けた認証はMSC認証となります。
一方で、養殖施設が受ける認証はASC認証となり、MSC認証とは区別されています。
この認証は、魚介類の種類に対して与えられるものではありません。
そのため、同じ種類の魚でもASC/MSC認証されたものもあれば、されていないものもあります。
この認証が生まれたきっかけは、過剰漁業問題でした。
1992年にカナダのグランドバンクスにおいて、マダラを過剰にとりすぎたために資源が枯渇し、漁業そのものが崩壊してしまいました。
地域のマダラは絶滅の危機を迎えた多だけでなく、その地域でマダラ漁に関わっていた加工業者や漁業者が数万人という単位で失業してしまったのです。
ASC/MSC認証は、そうした問題を繰り返さないという目的で誕生しました。
ASC/MSC認証の水産物を購入しよう
ASC/MSC認証は、スーパーやレストランなどに与えられています。
消費者が水産物を購入する際には、ASC/MSC認証のラベルがついているかどうかで選ぶことができます。
すでに主なメーカーやホテル、飲食店などではASC/MSC認証が積極的に採用されており、イオングループやセブン&アイグループ、生協コープ、マクドナルドなどが挙げられます。
スーパーに並ぶ魚介類の商品に関しても、ASC/MSC認証は多くあります。
マルハニチロや日本水産、ニチレイフィッシュなどでは水産加工の原料としてASC/MSC認証の素材を使っており、加工した商品にもASC/MSC認証のラベルが貼られています。
こうしたASC/MSC認証を消費者の一人一人が意識することによって、海洋における環境汚染や生態系を守ることができます。
また乱漁や違法な漁業をストップする効果もあるため、長期的にはサステイナブルな社会の構築に大きく貢献できると言えるでしょう。