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砂丘と砂漠の違いとは

砂丘

砂丘とは

「砂丘」も「砂漠」も、砂で覆われた緑のない地域という点では共通しています。
このため砂丘と砂漠は言葉が違うだけで同じものだと考えている人も多いのですが、実は砂丘と砂漠は厳密に言っても異なった特徴を持つ土地なんです。

砂丘というと日本では鳥取砂丘が有名ですが、この地域は降水量が極端に少ないわけではありません。
砂漠は降水量がほとんどないために土地の保水力がなくなって表面がカラカラに乾いていくわけですが、砂丘というのは降水量とは関係なく生成されます。
砂丘の砂というのは河川によって運ばれてきた砂です。
鳥取砂丘の場合、千代川が運んできた砂がつもりつもって砂丘を形成しています。

雨が十分に降るにも関わらず作物の育たない砂地になっている理由は、砂が絶えず動いている点にあります。
そのため、防砂林などを作れば砂の動きは止まり植物が生えてくることが分かっています。
事実、鳥取砂丘では防砂林を植えたところ、砂の動きが止まり雑草が生えてきました。
鳥取は砂丘が観光資源にもなっている土地なので、除草作業を怠らないようにして現在の景色を保存しています。
ちなみに鳥取砂丘の辺りの年間降雨量は2000mm以上もあります。

砂漠とは

砂漠というのは、降雨量が極端に少ない地域を指します。
雨が少なく植物が育たない、植物がないために土地に保水力がない、という悪循環を繰り返しているのが砂漠地域です。
砂漠というと砂に覆われた場所というイメージが強いかもしれませんが、実際には砂だけでできている砂漠は全世界の砂漠の中でも20%程度です。
それ以外の80%は細かな粘土などから成る「土砂漠」や石がたくさん転がっている「レキ砂漠」、岩がたくさんある「岩石砂漠」などが占めています。

砂漠には、もともと乾燥した熱風にさらされている地帯であるためにできたものと、乾燥した土砂の移動によってできた砂漠とがあります。
以前はうっそうとした緑に覆われていたのに、悪循環を繰り返して砂漠化してしまった土地も世界には多く存在しています。
現在でも砂漠化の進んでいる地域はたくさんあり、何らかの手段を講じる必要があると各国で議論が行われています。

砂漠を監視することが大切

砂漠化を食い止めるためには、まずリモートセンシング技術を活用して状態を常に監視していくことが大切です。
航空写真の他に人工衛星からの写真を使って砂漠の状態を常時チェックしていくことで、どの地域の砂漠化をどの程度抑えることができるかなどの有効な対策を立てることができます。
これに加えて灌漑設備を整えることも重要な課題となってきます。
砂漠化を防止するための優れた技術を有した国が、率先してグローバルな砂漠化対策に乗り出していくことが必要となっていきます。