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サハラ砂漠を緑化する巨大な緑の壁プロジェクト

多肉植物

サハラ砂漠化は拡大化している

サハラ砂漠といえば、アフリカ大陸に広がる広大な砂漠というイメージを抱く人が多いと思います。
実はこのサハラ砂漠の面積は常に一定なわけではありません。
アラビア語でサハラ砂漠は「荒野」を意味しており、1920年以降この砂漠の規模は増加の一途をたどっています。
サハラ砂漠の面積は現在860万平方kmですから、日本の倍に当たる面積の砂漠が年月をかけさらに拡大していることになります。

サハラ砂漠が拡大している原因は気象状況の変化が主と言われており、現在でも砂漠化がどんどん進行しています。
これを防ぐためにさまざまなプロジェクトが組織されており、その中でも特に多くの人の目を引いているのが「巨大な緑の壁プロジェクト」です。

緑の壁プロジェクトとは

巨大な緑の壁プロジェクト(The Great Green Wall)というのは2007年にアフリカ連合(AU)によって採択されたプロジェクトです。
サハラ砂漠の拡大化は南部で特にひどいのですが、これを防ぐために南端に植林をするというのがこのプロジェクトの主旨です。
同プロフェクトはジブチ、エリトリアに始まり、スーダン、エチオピア、チャド、ニジェール、ナイジェリア、ブルキナファソ、マリ、セネガル、モーリタニアの11カ国が共同して行っています。
西海岸のセネガルから東海岸のジブチまで、約8,000㎞にも及ぶ緑の巨大な壁を作る計画に、アフリカ大陸の21カ国はもちろんのことフランス政府や世界銀行なども協力しています。

緑の壁プロジェクトを推進することによって、ただ単に砂漠の拡大化を防ぐだけではなく、地域の干ばつや食糧不足の解決も試みているのがこのプロジェクトの特徴です。
現在まででセネガルに1,100万本の樹木が植えられ、かつては500万ヘクタールにも及んでいた荒れ地も回復されつつあります。
緑の壁は15%程度が既に植林済みですが、土地の管理能力が低いところではせっかく植えた木が枯れてしまうという事態も起きています。

緑の壁プロジェクトの見直し

プロジェクトが土地や国民性に合わない地域もあるため、その土地その土地に合った方法を改めて見直すべきだという考えも出てきています。
いずれにせよ、砂漠を緑化するためには並大抵ではない努力が必要です。
さらに、このプロジェクトで本格的な効果が現れるのは数百年後という見方も出ています。
植林を行うばかりではなく、それぞれの国の政府の取り組み方や国民に対する指導管理も今後は大切になっていくでしょう。
その土地に古くから根付いている植林方法をそのまま活かすといった工夫なども必要とされます。
多くの人が想いを引き継ぎ、今すぐに効果が出なくても地道な努力を行うことが大事になります。