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ニュージーランドで進む生態系破壊

ニュージーランドの町

どんどん自然が失われていくニュージーランド

人類の文化や科学・化学が発達することはいいことづくめではありません。
生活が便利になればなるほど、排気ガスや有害な物質の生産量も増加し、自然環境にダメージを与えてしまう可能性があります。
生態系の破壊は多かれ少なかれ地球規模で行われていますが、特にニュージーランドではその傾向が顕著です。

もともと、ニュージーランドは自然が豊かな地域でした。
その原因として、居住する人間が極端に少ないという背景がありました。
マオリ族がニュージーランドに居住し始めたのが9世紀、ヨーロッパ系の白人が移住し始めたのは18世紀末になってからのことですが、人類がこの地に住み始めるようになってからなんと75種類もの動物と鳥類が絶滅してしまったことが明らかになりました。

海鳥の危機

生態系の破壊が海鳥に与える影響は特に大きく、現在絶滅の危機に瀕している動植物は86種類ですが、ニュージーランドに生息する海鳥の90%は絶滅の危機にあると言われています。
また、海鳥以外でも岸辺の鳥の80%は絶滅寸前の状態にあります。
ニュージーランドに生息する海鳥の多くはここでしか見られない珍しい種のため、保護をすることが大切だと訴える団体も多数あります。

ニュージーランドの鳥の中でも特に珍しいのが「キウィ(kiwi)」という種類です。
この地域には飛べない鳥が多く、キウィもその一種です。
翼が退化してしまっており、クチバシの先に鼻が付いているのが特徴での、鳴き声が「キーィ、キーィ」と聞こえることが名前の由来になっています。
現在、キウィはニュージーランド全域で5種類が確認されています。

飛べないオウム「カカポ」も希少な存在になっており、2017年の時点では個体数が150しか確認されていません。
カカポは世界でも唯一の夜行性の飛べないオウムとして有名です。
厳重に保護されていて、現在では見ることができません。

ニュージーランドで生態系の破壊が進む原因

豊かな自然に恵まれているニュージーランドですが、どうして生態系の破壊が進んでいるのでしょう。
その原因のひとつは病原体による水路の汚染にあります。
ニュージーランドではここ数十年酪農が盛んに行われており、その結果病原性大腸菌が水路を汚染してニュージーランドの生態系を破壊してしまっている可能性が高いと言われています。

この他に、肥料も環境を汚染している可能性のひとつとして挙げられています。
絶滅の危機に瀕している動植物を保護していくための保護区なども作られ、最近でこそ絶滅のスピードは落ちてきましたが、酪農による汚染を防止するための水路の整備など取り組むべき課題はまだまだ多いというのが現状です。