アカミミガメ(ミドリガメ)について
アカミミガメ(ミドリガメ)は、最大で20センチ後半程度に成長するカメで北米原産です。
湖や沼、流れが穏やかな川に棲み、雑食のカメです。
水草や果実などの植物を多く食べますが、昆虫や貝、カエル、鳥類などの肉類も食べ、幅広い種類のエサを捕食します。
原産国である北米などでは人間が繁殖地に立ち入ることで個体数が減少しています。
その一方で、北米以外の多くの地域ではペットとして持ち込まれたことで、繁殖例が増えています。
アカミミガメ(ミドリガメ)にまつわる生態系破壊の原因とは?
アカミミガメ(ミドリガメ)は、日本にもペットとして輸入されてきた過去があり、すでに1960年代にはペットとして育てられたものの、そののち遺棄されたと思われる個体が野外で見つかっています。
こうした例が様々な場所で発生することにより、アカミミガメ(ミドリガメ)が定着して繁殖しています。
その結果、周辺の生態系の破壊をもたらしてきました。
こうしたケースは世界中で見られ、IUCNという機関では世界の侵略的外来種としてワースト100に入っています。
そうしたことから、ヨーロッパやアジアの国々の中には、アカミミガメ(ミドリガメ)の輸入自体を禁止しているところも見られます。
日本においては、亜種であるミシシッピアカミミガメが日本における侵略的外来種ワースト100としてチェックされています。
アカミミガメ(ミドリガメ)は、上記のように幅広い雑食性を持ちますので、環境対応力が強いのが特徴です。
水草などの水辺の生態系を支える植物を食べてしまいますし、特に若い個体は小さな動物を食べる傾向も見られます。
日本はアカミミガメ(ミドリガメ)にとっても繁殖しやすい環境にありますので、他のカメや日本に元々いた他のカメや両生類を追いやってしまっています。
繁殖防止のための現在の取り組み
アカミミガメ(ミドリガメ)は、もともとはペットとして飼われたものが、飼い主が飼えなくなったという事情で遺棄されるケースが多く見られます。
そのため、輸入や販売を目的とする飼育について規制した方が良いという意見が出ています。
明確に法整備が進むことによって、許可された業者しか輸入できないといったルールが定められることになります。
また、すでに深刻なダメージを受けていたり、相当数が繁殖していると思われる場所では、他の外来種と共に駆除活動が行われているケースも見られます。
同時に、飼い主によるペットの遺棄を防ぐために啓もう活動を行ったり、ペットの販売者に対する指導を実施したりしています。
そもそも生き物に対する正しい認識と、ペットとして飼う人の責任を強く自覚することが非常に重要な分野と言えるでしょう。