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サハラ砂漠で太陽光発電をすると緑化する?

再生可能エネルギー施設は気候変動の要因になりえる

現在地球上で起きている異常気象の主な原因の一つは、二酸化炭素の過剰な排出が関係しているとされています。
温室効果によって気温が上昇し、ある地域では大雨を引き起こし、別の地域では干ばつをもたらしているのです。
特に温暖化は乾燥地帯には深刻な影響を与えていて、砂漠が年々広がっていることが分かっています。
こうした問題に対処するためには、二酸化炭素の排出量の削減が重要だとして、再生可能エネルギーへの切り替えが進んでいます。

再生可能エネルギーとしては太陽光発電や風力発電が重要で、世界各国で様々な取り組みをすることによって施設設備の普及が進んでいます。
こうした再生可能エネルギーが、天然ガスや石油、石炭などの火力発電に変わることによって二酸化炭素排出を抑制できるわけです。

こうした二酸化炭素の減少と共に、再生可能エネルギーによる発電施設は別の面でも気候変動をもたらす可能性があるとの研究結果も出ています。
風力発電施設は基本的に大型のタービンを回すことで電力を得ています。

当然、タービンが回転すると空気の流れが変わります。
その設置場所の状況にもよりますが、一般的に暖かい空気を上方から飛ばすことになるため、夜の地表面における温度上昇が生じるとされています。
すると、上昇気流が発生するなどの理由で、降水量が増えるという連鎖反応が引き起こされます。
平均では、一日当たり0.25mmほどの降水量増加が見込まれます。

また、太陽光発電ではソーラーパネルを地上に広げます。
当然、そのパネルの下は日陰になりますので、地面の温度が下がり、それに伴って気温の上昇も抑えられることになります。
こうした変化は一部分に留まらず、広域シミュレーションでも大きな気候変動をもたらすことが分かっています。

発電施設が砂漠にもたらす変化とは?

こうした風力発電やソーラーパネルの組み合わせを、サハラ砂漠のような砂漠地帯に設置することで、降水量の増加と共に気温の低下をもたらすことができるかもしれません。
この変化は植物が生える環境を作ることになり、砂漠の緑化に貢献することができます。
もちろん、クリーンエネルギーを産出することによって、周辺地域への電気供給も果たすことができて、人々の生活を助けるものとなります。

サハラ砂漠は非常に広大な面積を持ち、緑化を進めることができれば農業を推進し、アフリカにおける食料不足や経済困難といった大きな問題を解決することができます。
簡単な道ではありませんが、様々な面から地球環境の改善や社会福祉の向上などに役立つプロジェクトとなる可能性を大いに秘めていますので、これからの動きに注目したいところです。