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他の魚や卵を食べてしまうブラックバス・ブルーギル

ブラックバス・ブルーギルについて

ブラックバス・ブルーギルは共に北米大陸が原産の魚です。
ブラックバスは大きなものになると80cmくらいにまでなる大型の淡水魚で、ブルーギルは20cm程度の大きさが一般的です。
どちらも引きが良いということもあって、釣り人からは人気の魚となっていて、日本全国の沼や池、湖、ダムなどに生息しています。

小さな面積の沼であっても繁殖力が強く、環境対応力が強いため生き続けることができます。
そのため、もともと日本にはいなかった種類の淡水魚ですが、あっという間にその生息域を広げて、日本全国に見られるようになりました。

ブラックバス・ブルーギルによる生態系破壊

ブラックバス・ブルーギルは、貪欲な捕食を続けるため他の魚類を殺してしまうだけでなく、その卵を食べて繁殖力を弱めてしまいます。
楽しい釣りができるからと、無断でブラックバス・ブルーギルのつがいを放流したことが多くの沼における生態系破壊につながっています。
とはいえ、初期には政府の許可の下、試験的に食用や釣り対象としていくつかの湖に放流されてきたことも原因となっています。

そして、ゲームフィッシングの対象として認知されると、あっという間にブラックバス・ブルーギル釣りというジャンルができ、全国に放流されてしまいました。
ブラックバス・ブルーギルは、どちらも肉食で獰猛な捕食をします。
昆虫やカエルなどの小さな動物だけでなく、ある程度個体が大きな魚類も捕食することで知られています。

そのため、釣り目的で釣り人が放流したブラックバス・ブルーギルが、その湖や沼の他の魚類を追いやり、水辺の最大の生息者となっている例も珍しくありません。
中には、湖で産出される鯉やフナなどを減らし、地元の産業に大きなダメージを与えてしまった例もあります。
こうしたことから、3種類のブラックバスが外来種として指定されています。
そして、2種類が日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。

生態系保護のための現在の取り組み

ブラックバス・ブルーギルによる生態系破壊は、釣り人による放流が主な原因ですので、今ではこうした行為は禁じられています。
多くの湖ではブラックバス・ブルーギルを釣ったらリリースしないことが推奨されています。

また、定期的にブラックバス・ブルーギルの駆除活動がなされています。
当初の目的である食用として利用しようと、ブラックバス料理を考案して提供するところも見られます。
食用としての活用が進めば、積極的かつ事業としての漁獲がなされることが期待されるからです。
こうして、少しでも流入を防ぐ努力と共に、すでに繁殖している場所での個体数減少を目指した取り組みがなされているのです。