廃車にする時にも環境のことを考えて安全に廃棄、リサイクルできるシステムを
自動車は製造段階から、使用時、廃棄に至るまで、様々な環境上の問題を生み出します。
製造時には様々な化学物質や多量のエネルギーを使用しますし、使用時には排気ガスを常に出すことになります。
そして、廃棄時にもやはり有害物質や自然に還元されない素材が出てきて、環境に影響をもたらすことがあります。
そのため、トヨタ自動車では循環型社会・システム構築チャレンジというプロジェクトを実施していて、廃車にする時でも環境にかかる負担を最低限にするような取り組みをしています。
このプロジェクトは、主に4つの軸に分かれていて、「エコな素材を使う」、「部品を長く使う」、「リサイクル技術の開発」、「廃車されるクルマからクルマを作る」という考えの下様々な改善案を実行しています。
資源の使用をできるだけ少なくする
最新技術が用いられている自動車、たとえばハイブリッド車や電気自動車などには、レアメタルを始めとする希少な天然資源が用いられています。
こうした天然資源には限りがありますし、採掘、廃棄などの段階では、環境に大きな影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、できるだけ使用量を減らすと共に、廃車となった自動車からその資源を取り出して、再び利用するという方法を採ることがとても重要になってきます。
リサイクルできる素材や部材をできるだけ一台の車の中に増やして、一度だけの使用で終わるのではなく、同じ資源を使い続けることができるようにするという取り組みも重要なポイントとなっています。
また、こうしたリサイクルをより容易にするために、解体をしやすくするという構造上の改善も大きな目で見ると重要な環境対策となってきます。
そこでトヨタ自動車では、様々な企業に解体についてのアンケートを行い、どのような構造にしたらより解体が楽になるかという調査を実施して、その結果を新車開発にフィードバックしています。
環境対策のグローバル化も推し進める
こうした取り組みは日本国内だけでなく、世界全体で進めることによって、大きな力を生み出します。
そのため、国内で培ったノウハウや基準を世界各国にある工場や支社において適用するというグローバル化を、循環型社会・システム構築チャレンジでも実施しています。
国によっては日本ほど環境についての意識が高くないところもありますが、同じ基準を踏襲することによって、世界中で環境にやさしい自動車の循環システムを構築することができているのです。
こうした、資源を有効に活用することや、廃棄などの際に排出される物質を減らすということで、自動車業界が及ぼす環境への影響を最低限にすることができます。
年ごとに目標を設定して、それを達成するための取り組みをしていて、実際にこうした取り組みが功を奏しています。